飛ばないヒコウキ

 


4月29日。そう、その日の晩にはローマについているはずだった。

朝から気合を入れて、ローマへ向けての準備。
と、そんなことが書きたいのではない。

なぜ、オレは4月30日の16時にまだ空港にいるのかってことだ!!!!!

昨日の夜は、野宿に近い状態だったし。

もうこの空港にきてから24時間が経った。どこから話していいのかわからない。えー、現在空港の中でパソコンを開きこうして文書を書いています。

昨日から追って話そう。

12時にロッテルダムで、ダニエレと、ダニーの彼女と待ち合わせ。
RYANAIRの空港までロッテルダムから、国境を越えてベルギーへ合計3時間強の旅。なにせ、電車を2回乗り継ぎ、その後、バスでようやく到着だ。

搭乗手続きのときに、ものすごい感じの悪いオランダ人カップル、女性の方にからまれる。というか、意味もなく笑われた。ダニエレとオレは別々の列にいたのだが、ダニーの列の方が進みが速かったので、ダニーのところにいったら「へ?横入り?」みたいな侮蔑の目で笑われた・・・意味が分からん。ま、説明したけどね、「俺らは友達同士だし、どうせ一緒にチェックインするから、なにか問題が?」って言っても、「ちょっと変だよ」だと。っけ。知るもんか。

さて、搭乗手続きでトラブルが、ダニエレなんとパスポートを忘れて、搭乗出来なくなった。あああ・・・。ダニエレは、EU圏内だから以前まで運転免許証だけでイタリアに帰ることができたと言い張ってるし、昨日朝、ロッテルダム駅に行く途中になくしたことに気が付いたそうなのだが、パパに電話したら「そんなもん免許証だけで充分に決まってるだろう」とスタッフにごねているのだが、ああ無理だろうな。スタッフの顔が「無理」って表情している。結局、ダメなものはダーメ!だったわけです。でも、普通パスポート忘れるか?

というこで、ダニエレを置いて俺は飛行機に乗り込むのだが、一向にその飛行機がこない。
この空港というのが、RYANAIR専用空港でターミナルゲートがAとBの二つしかない代物で、場所もまわりにはなにもなく、工場が点在している程度。そして、大きさが関越自動車道のパーキングエリアほど。飛行機じゃなくて、この空港が空を飛んでもおかしくないじゃない?ってくらいの大きさよ。

さて、17時にチェックインを済ませ、18:15発のローマ行きに乗り込んだのだ。搭乗口から機内へはもちろん徒歩。そんな光景が珍しいのか、写真を撮る人たちも。機内に入り、俺は睡魔に襲われてウトウトしていた。20分くらい寝ただろうか?飛行機は全く飛ぶ様子をみせない。どうやら管制塔との連携がとれないそうだ。

1時間後

乗客全員下ろされる。

再び待合室まで連れて行かれたが、ここで乗客はキレた!

「なんなんだよー!これは?どーなってるの?」
「今日ローマいかないと困るのよ」
「で、いつ飛ぶの?」

でもちろん、職員達もよく状況を把握していない。

「わかりません、普段は飛ぶんですよ」

「・・・・・・」

あたりまえだろ! 飛ぶから飛行機なんだろ?
とオレはココロの中でつぶやいていた。

さて、このベルギーって国いるとフランス語かオランダ語ばかりでなかなか英語で説明がなされない。これも困った。幸いライアンエアーが英国系の飛行機会社だったので、英語での説明が多かったが、周りの人間はイタリア人かベルギー人だったので、ふぅーー困ったもんです。


と、目の前に繰り広げられている光景を目にしながら途方にくれていると、目の前のベルトコンベアーが動き出すではないか!?
そう、それです。空港に到着するとまず受け取る自分のスーツケース。乗客はさっき預けた荷物を受け取っていた。これでオレのなかでローマ行きは絶望的になった。時刻は21:00。そうだよなー、こんな時間じゃ飛ばないな。。。どーするよこれから・・・・

「SHU!!!!!!!!!」

と誰かがオレに声をかける。ダニエレの彼女だ!!!

「っほ」と方をなでおろす。よかったぁ。こういう時誰か知り合いがいるとうれしいものです。で、結局、ユースホステルか安いホテルに泊まって翌日飛行機に乗ろうということに決まるが、ホテルはすべて満室。オランダから持ってきたプリペイド携帯もクレジットがなくなってきたし、空港で野宿となりかけたとき、レンタカーの看板が目に入った。ということで、車中泊となりました。

で、翌朝、空港には昨夜の出来事を伝えるためかNEWSの報道をしていた。そんななか、ロッテルダム⇒シャルルア(ベルギー)を二往復したダニエレと再会し。さて、いよいよ乗り込むというときに、ローマ行き臨時便が飛ばない!!!!!とアナウンスが。
もう、昨日からスタンバイしていた乗客はもう、ブチキレですよ。でもって、若いイタリア人学生の女の子が泣き喚きだした!「あんたー!どーしてくれるの!!警察呼ぶわ!」、アタリは騒然となるが、大半の乗客はおとなしく座っていた。もう、怒ることにも疲れたのだろう。俺もそのうちのひとりだった。疲れたよ。。。本当。

で、結局昨夜告知された臨時便に3時間遅れて結局、昨夜と同じ時間の18時の飛行機に乗り込んだが、ここでもまた俺らを狼狽させる出来事が。4月30日の通常便の方が先に離陸したのだ!!!! ドーイウコトデスカ・・・・

結局、さらに1時間待たされ飛んだのが19時15分。。。乗客からは拍手が!!!!!

今回、外国人の「謝ったら負け」の精神がよく分かった気がする。日本だったらもう本当に空港関係者はもう謝りまくりでしょう。でも、オレの記憶がたしかなら2回しか、たったの2回しか、しかも、アナウンスメントの最後に「Sorry for incovinient situation.」くらいしか言ってない。これでいいのかな。

いいのかな?